現象の奥へ

「有名人」伊藤比呂美さまへ、訂正箇所

誤字があり、読みにくいというご指摘を受けましたので、この機会に、その部分の内容全体を改めました。もとの記事も訂正しておりますが、その部分だけ、新しい内容なので、クローズアップしておきます。

【伊藤】目には目を、歯には歯をということばもあります。何十年も前に私はあなたから直接の連絡をもらいました。同じ詩人で同世代です。会ったことはなく、名前は知っているという程度でした。そのときいきなりあなたが切り出したのは、「仕事を紹介してもらいたい」と。私は大変驚きました。

【山下】ここのところ、少し記憶違いがあられるようです。「編集者を紹介していただきたい」と手紙で書いたのです。実を言えば、それはまったく私の考えではありませんでした。

【伊藤】私たちの業界はそういう頼み事は、基本的にしないと信じていたからです。私たちは、カネはないがプライドはある仕事なので、そういうふうに他人のおこぼれを預かるという事はしない。でもあなたがそれをしてきたので、私が戸惑ったのは当然のことだと思います。しかし私はこのようにナイスな人間なので

【山下】上にも書きましたように、それをしろと私に提案したのは、集英社の文芸誌「すばる」の副編集長(当時)でした。「業界」が違ったようですね。

【伊藤】その戸惑いをなるべく表さず、当時懇意だった地元紙の記者を紹介しました。あなたはそこで映画評をはじめたと思いますが、どれくらい続いたか、評判はどうだったかは知りません。わたしはわたしの日常にもどりました。あなたの「レビュー」の中にある、有名人や一般人という言葉は、この経験をふまえて
ひねくれあがってできたものと考えました。くり返しますが、私はその時あなたに、なぜそのような卑しい行為をするのかと問い詰めた覚えはまったくありません。

【山下】すみません。その「卑しい行為」は、文学業界でも経験豊富な編集者から提案されたことでした。彼としては、文芸編集者を紹介してもらえば、べつの視点が持てるとの考えでした。しかして、紹介していただいたのは、「地方紙の記者」でした。私も面くらいました。まさに、「おこぼれ」のようでした。集英社の編集者は私を買いかぶっていたので、紹介した相手先に、「よい人を紹介してくれた」と感謝されると言ってました。そして「伊藤比呂美ならそれくらい腹はある」とも、それも買いかぶりのようでしたね。
彼は、数十年、多くの一流作家や詩人とつきあいがある人でした。
それはともかく、「地方紙の記者」さんですが、彼とも数年はおつきあいさせていだいたと思います。その際、当時のあなたに関する個人情報とも思えるものを漏らされました。それで、「伊藤比呂美論」を、この視点から書かないか? と言われましたが、お断りしました。関心がなかったことが理由です。以来、その情報に関して、私は漏らしたことはありません。最低の倫理というのは、こういうことを言うのではないですか?