現象の奥へ

『また、あなたとブッククラブで』──やっぱりダイアン・キートンあっての映画(★★★★★)

『また、あなたとブッククラブで』(ビル・ホールダーマン監督、2018年、原題『BOOK CLUB』)
(2020/12/18@キノシネマ天神(福岡))

ダイアン・キートン(撮影当時の2018年、72歳)、ジェーン・フォンダ(81歳)、キャンディス・バーゲン(72歳)、メアリー・スティーンバージェン(65歳)の「熟女」たちが読書会を開いているはいいが、読んでる本が、映画にもなった、『フィフティ・シェイズ・オブなんたら』で、中身は清純な女子大生がしだいに性の深みに……てな物語である、よくは知らないが(笑)。それを読みながら熟女たちが、性に関して、人生に関して、「今」に関して、あれこれ思い悩んだり、話し合ったりする。みんな経済的には成功していて、生活にはゆとりがある。主役のダイアン・キートンは、2人の結婚して子供もいる娘もいるが、夫を亡くしたばかりで、娘たちから一人暮らしを心配されている。そのうちの一人に引き取られようとする寸前、娘の住む街へ移動中の飛行機の中でハンサムな初老男に出会い、その男は実はパイロットで、自家用機も持っている。その男を、アンディ・ガルシア(当時、62歳)が魅力たっぷりに演じている。そんな彼に「惚れられる」役のキートン。ほかの女たちも、それぞれ、男にもてもて……。んなワケあるかいな〜(爆)。私が認識するかぎり、フォンダ、バーゲンは、完全お直し顔。で、すぐには誰かわからない。スティーンバージェンは、いちばん若いので、まー、あんなもんかもな〜である。なんとなく、杉村春子を思い出させる(笑)、ジェーン・フォンダの役は、ホテルも持ってるビジネスで大成功した女性、で、昔のボーイフレンドがいい寄ってくる。これが、ドン・ジョンソン(当時、かろうじて、69歳((笑))。『フィフティ・シェイズ・オブなんたら』の主役、ダコタ・ジョンソンの叔父である。カンケイない情報だが(笑)。
 州裁判所の判事、キャンディ・バーゲンが、ネットの「マッチング」で知り合ってデートする老紳士、なんとなく眼が、リチャード・ドレイファスみたいだなと思っていたら、ずばりその人。……てなてな感じで、ありがちなシニア的状況を描きながら、いったいなにが言いたいワケ? な、映画であるが、往年のスターに星一個ずつあげていたら……五個以上になってしまいまつた(爆)。
 しかし、さすが、ダイアン・キートン、ずっと現役感あり。やはり、「色」を売ってこなかったからか? 黒縁眼鏡かけっぱなしだが、お直し感なし、だし、相変わらず、服のセンスがいい! 演技も自然。こんな老女に私もなりたい! で、ダイアンがアンディ・ガルシアなら、私はやはり、ジェイク・ギレンホールでいいかもな〜。と、年寄りに夢を与えてくれる映画である(笑)。