現象の奥へ

【詩】「詩」

「詩」

古来日本において「詩」とは漢詩のことであり、
最古の詩篇は、「詩経」である。
紀元前より江戸時代まで、志のあるものは、
これを勉強した。
曰く、

我心匪鑒 不可以茹
わが心鑒(かがみ)に匪(あら)ず、以(もつ)て茹(はか)るべからず。
わたしのこころは鏡ではない。だから他人の心を映しはかることはできない。

日本人は古来、おのれのこころの真情を、
外国語をもって表さざるを得なかった。

そのねじれ。その遠き、あきらめ。それゆえの
熱情。