現象の奥へ

【詩】「雨」

「雨」

突然の雨に出会うたび思い出すのは
張込みしているジーン・ハックマン
紙コップのコーヒー片手にピザを食ってた
っけ。
同僚が撃たれて死にさえしなかったら、
フランスに渡ることはなかった。フランスに
わたって、ギャングに捕まり、
ヤク中にされることは
通り雨に遭うような
もの
消えろ消えろ瞬時の恋心
こころ
あの日
主人の
浅野内匠頭長矩が
吉良上野介義央を殺人未遂しなかったら
凡庸な家老として
一生を終えたものを

大石良雄のこころは
雨に混じった。
突然の情熱

雨粒
時間
こころ