現象の奥へ

【詩】「フレンチコネクション2」

「フレンチコネクション2」

 

あほくさ。

「張込み」と書いただけで、なんで松本清張なんだ。

逃亡者が昔の女に会いに行く。

その女はダンナから一日百円だかの生活費をもらって

「つつましく」暮らしていた

ってか。

ちがう!

全然ちがう!

ジーン・ハックマン

荒くれ刑事なんだ。

一度食いついたらダニみたいに放さない。

「フレンチコネクション」は、NYに来た麻薬王をしつこく追うハナシ。ウィリアム・フリードキン監督。悪くないが、ホラーの線の細さが覗く。ハードボイルドではない。

「フレンチコネクション2」は、

ジョン・フランケンハイマー監督。

ハックマンは、麻薬王を追って

フランスは、マルセイユに渡る。

トルコからブツがくる。

やがて

そのブツにハマっちまう。

ハメられちまう。

ヤクザに捕まりヘロインを射たれる。

ヤクザまがいの強面刑事が

へろへろのよれよれになる

そういうハナシだ。

女は出てこない。

恋は出てこない。

フランケンハイマーはそういうやつだ。

ズレまくりなんだよ、ジジイ。

第一詩の題名は、「張込み」じゃない。

「雨」だ。

一瞬の情熱を閉じ込めたような

雨粒について書きたかったんだ。

悔しかったら、

NYで、ポリ公の写真でも撮ってみな。