現象の奥へ

哲学

【吉本隆明はフーコーに完全に論破されている】(「フーコーを読む」番外編)

【吉本隆明はフーコーに完全に論破されている】(「フーコーを読む」番外編)フーコーが来日したおり、蓮實重彥の通訳で、吉本隆明と対談する機会があった。それが本になっているのが、『世界認識の方法』(1980年、中央公論社)である。フランス語版の書物…

【フーコー『言葉と物』を読む3】Lire "Les mots et les choses" de Michel Foucault

【フーコー『言葉と物』を読む3】Lire "Les mots et les choses" de Michel Foucault(まだ「序文」(笑))フーコーはボルヘスの『続異端審問』のなかで中国の百科事典に言及、動物の分類の常軌を逸した様子に爆笑した。なにがおかしいのか? まわりにいる…

【ソシュールより始めよ】

【ソシュールより始めよ】 知られているように、フェルディナン・ドゥ・ソシュールには著書がない。死後流通している著書は、彼の生徒のノートから成り、それらのノートは幾人かのもので、なかでもいちばん詳細で厳密なノートが中心となり、他のもので補われ…

『政治という虚構──ハイデガー芸術そして政治』フィリップ・ラクー=ラバルト

『政治という虚構──ハイデガー芸術そして政治』フィリップ・ラクー=ラバルト(浅利誠、大谷尚文訳、藤原書店、1992年刊) 原書は、1988年刊、国家博士号のための補助テキスト。本論は、それほど長くないが、本書が出版される直前に出た、ファリアスの『ハイ…

【Foucault memo】 (2020/2/5)

【Foucault memo】 (2020/2/5)1954年(28歳) Introduction in Binswanger “Le Rêve et l’Existence”……Aujourd’hui, ces lignes d’introduction n’ont guère qu’un propos : présenter une forme d’analyse dont le projet n’est pas d’être une philosoph…

【昔のレビューをもう一度】『アンジェリカの微笑み 』──映画とは何かを教えオリヴェイラ逝く(★★★★★)

『アンジェリカの微笑み』(マノエル・ド・オリヴェイラ監督、2010年、原題『O ESTRANHO CASO DE ANGELICA/THE STRANGE CASE OF ANGELICA』) 2016年1月30日 5時57分 「オリヴェイラは世界最大の映画作家である」と、蓮實重彥は、『映画狂人、神出鬼没』(河…