現象の奥へ

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 』──かませ〜いい女〜♪(★★★★★)

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 』( ジョナサン・レヴィン監督、2019年、原題『LONG SHOT』)


 絶世の美女の国務長官と、失職したばかりのジャーナリストの恋。いわば「身分ちがいの恋」と言ってしまっていいのか? この二人、かつては、ベビー・シッターと、お守りされるコドモの関係。女が16歳でベビーシッター、男が13歳のお守りされるガキ。……だった。しかし再開したとき、女は国務長官で、男は失職したばかり(なぜって言動が過激すぎるから。しかし、クビになったのではなく、自ら辞めた)のジャーナリスト。二人には、世界を守りたいという共通点もあり、正直者という似たところもあり、なにごとにも抜きん出ていた女と、その実キレるジャーナリスト、となれば、スピーチ原稿の依頼を「手段」として接近。世界を相手に、恋愛道まっしぐら。いくら「身分違い」でも、ありがちな、楽しかったね、さよなら……とはならない。とことん、フツーに(?)突き進んでしまって、ハッピー・エンド。女は大統領になり、男は彼女を支える、ファースト・レディならぬ、ミスター・ファースト。名字も、彼女の名字にしました。そして、フツーの恋愛モノより、セックスネタ多し。かつ、セックスシーンも多し(爆)。でも、まっとうな政治モノだったりして。大統領候補としての女のスピーチがふるってる。「私のカレのオナニーシーンが、敵方に盗み撮りされてネットにばらまかれました。でも、みなさんだって、オナニーぐらいするでしょ?」
 それで大受け。男はジーンとくる。あ、いいなー。こんな世界が来たら。アメリカではもう遠い未来じゃないんだな。トランプの次は。てなハナシを、シャーリーズ・セロンと、セス・ローゲンが演じる。ネタが細かい。しかも日本人にはピンと来ないものもある。それでも「今」の雰囲気はこんなもの。