現象の奥へ

【詩】「惨敗日記」

「惨敗日記」
 
気取ってマラルメ、などと書くこともできた。マラルメが書いている「エドワール・マネ」と題された散文詩を、英訳しているベケットについても、また、マネをテーマとしたフーコーの文章についても、また、オルセー美術館で見たマネの絵そのものについても、また、自室の壁高くにかけた、白いペンキを塗ったような素朴な額縁に入れた、マネとも思えないようなガラスの花瓶にいけられた小さな花々の絵の、絵はがきについても書くことができた。しかしいま、
私が生きている証明として書くのは、
これまでの生の総括、すなわち、
惨敗の
日記である。
 
建築家安藤忠雄氏の著書に、『連戦連敗』という題名ものがあるが、そんな晴れやかなものとも違う。ひそかに
逃れていく生の
逃してしまった時間の
後悔にさえなれない
ジレンマのような
 
*This eye - Manet -this child eye of old urban stock, new, set on things, on persons, virgin, and abstract, preserved, only yesterday, the immediate freshness of meeting, ...
 
**Cet oeil - Manet - d'une enfance de lignée vieille citadine, neuf, sur un objet, les personnes posé, vierge et abstrait, gardait naguères l'immédiate fraîcheur de la rencontre, ...
 
***この眼ーマネー年老いた都会の一族のこの子供の眼、新しく、物たちに、ポーズをとった人々に注がれ、処女に、抽象的なものに、つい昨日まで保持されていた、出会いの瞬間的鮮度、……
 
 
******
 
* Samuel BeckettのMallarmé "Édouard Manet"の英訳の部分
 
**Mallarmé "Édouard Manet"の部分
 
*** 上記の部分の拙訳
 
 
 
 

f:id:palaceatene:20201111032941j:plain