「源氏物語」
なにかを出すまえに出す物語。
奥に隠されているのは蛍、
の舞う漆黒の欲望。
ソネットでなければならず、葬られなければならず、
十手先を読むAIの世界の殺人。
哀しいのか欲しいのか、女の名は隠され、
ただ、風の音にあなたの愛を読む。
死児であったり怨霊であったり、宇宙はしらず、
道長が侵入して盗むは式部の原稿。
さきを、さきを、さきを読みたし。
季吟はかたちをととのえ、火をもて集まりたるひとびとに、
すでに源氏なき世界の。
空疎などをロリータ。
ひめ、音だけでできた、LO。