現象の奥へ

【詩】「あるいは裏切りという名の犬」

あるいは裏切りという名の犬

 

題名はフレンチノワールの映画の題だ、ダニエル・オートゥイユという俳優が出ている。

原題は、36 QUAI DES ORFEVRES

オルフェーブル河岸36番地、つまり、パリ警視庁の住所。

警視たちが、次期長官の座を争って、どんどんぱちぱち。

正義もへったくれもありはしない。しかも、

これは実話だという。「キシダメ(岸田某)」もオミクロンも、

顔負けだ。これに、NHK大河の松平健平清盛像が重なる。

わが故郷、豊橋の男だ。たしか記憶では、

ORFEVRES というのは、銀細工みたいな意味があったような……

セーヌ河岸に、銀細工師が集まっていたのでは?

肉体は朽ちる。しかし、記憶は朽ちない。

記憶には仕事がある、すなわち、

夢を形成するという。ちょいと前なら覚えちゃいるが、

八百年前だとちとわかんないな、裏切りだけが人生だ。