現象の奥へ

【詩】「倭歌(やまとうた)」

「倭歌(やまとうた)」

 

和歌でなはく、倭歌とするは、和歌は本来、万葉集の「和(こた)へ歌」の意なり。

きみがよその男と寝ていようと、

蛙は水のなかで鳴く。

なんたるちーや、日本では、蛙さえ歌を詠むのだよ。

It is my love that keeps mine eye awake,*

わたしが眠らないのは、きみへの愛のため。

ひとのこころをたねとしてよろづの

ことのはとぞなれりける。

いにしへをあふぎて今を恋ひざらめかも。

勅撰のおもさ

その選者をおおせつかったよろこび

むかし、むかし、貫之に抱かれて、どこまでも、

うすむらさきの朝のなかを、

白い馬で行った、夢をみた。

 

 

(*Shakespeare's SONNETS : 61)