現象の奥へ

「固有名」

「固有名」

 

「人物の名を語ること、それは顔を表現することである。ありとあらゆる名詞や常套句の只中にあって、固有名は意味の解体に抵抗し、私たちの発語を支えてくれるのではないだろうか」(エマニュエル・レヴィナス

そこで積み重なる日々は習慣というやさしい状況を与えてくれるだろうか?
それでも与えられるものの方が多いだろうか?
地位とか記憶とか、
未練とか不快とか、
土に紛れた泥とか、

匂いに紛れた痛みとか、
恋人とか構造とか、
すべてかたちを失って、
抵抗だけが意志として残されるとき、
アインシュタインとか、
ブリューゲルとか、
内藤さととか、
彼方から落葉のように
降ってくるもの、