現象の奥へ

【詩】「詩が詩に横切られる」

「詩が詩に横切られる」

いま、1888年米国生まれの英国人、
Thomas Stearns Eliotの「荒地」のなかのマダムが歩いている部屋のウィンドウが見えるが、そこを、
1906年アイルランド生まれのフランス人になってしまった
Samuel Beckettの「ホロスコープ」という詩が横切っていく。
これはいかなる事態か。
ときとして混じり合う、
プロテスタントからイギリス国教へ、
また、カトリックの奥深く
入り込んだベケットの宗教的風景。
それらが、絡み合って、
わたしの、母方祖母禅宗天理教の仏壇内に神棚の、
そしてわたしの父方神道新興宗教霊友会
そういう入り乱れた宗派景色が、
まさに詩によって、ご両人の詩によって、見える明度。