現象の奥へ

【詩】「ブレイク」

「ブレイク」

教育は、われわれがほんとうに感じたり欲したり、
興味を持ったりすることを、隠す。
有害なのは、そうして得られた知識ではなく、
それがわれわれに強いる
画一的なものの考え方である。
と、T.S.エリオットは、「ブレイク」という論文のなかで書いている。
エリオットの描き出すブレイクはまるで、ランボーを演じたディカプリオのようである。
偉大な詩人はみな、隠さない。
おのれがほんとうに感じるものを。
先達の作品のなかにそれを探す以外の、詩の勉強法があるだろうか?
妙な理論をいくら探っても、そこにはなにもない。
ブレイクの幸福は、芸術家ではなく、職人であったこと。
仕事を通して、成熟とは何かを知っていく。
そして、真にほしいものに到達する。