少女と老婆がいっしょに妊娠し、いっしょに産もうね(はぁと)といったハナシは、 新訳の外典に記されている。 それをレオナルドは、大天使ガブリエルの「告知」として、新しい画材である、油絵の具で描いた。 当然、ほかの画家も描いているテーマではあるが。 それは、「外典(アポクリファ)」でなければならなかった。 日も暮れよ、 月日は流れ、私は残る。 わがセーヌよ。 ガブリエルは、詩人のふりをして、 ミラボー橋の欄干にもたれ、 煙草を吹かしている。 Sous le pont Mirabeau coule la Seine Et nos amours.