現象の奥へ

「論語に捧ぐ」

論語に捧ぐ」

金持ち奥さまの婆さん詩人と、
その他、二名の詩人が、そのうちの一名の
詩集を海岸の砂に埋め、弔いをしたという。
なんたるおごったことをと、私は思った。
あくまで私のイメージだが、
書物を砂に埋めることによって、
弔いをするというおごった行為が許されるのは、
ひとり、論語のみと思われる。
初めて日本人が読んだ書物。
日本語ではないそれ。
時代が少し経ったのちには、日本人は誰も読めなくなった。
それを読めるようにしたのは、
本居宣長である。
子曰、學而時習之、不亦説呼。有朋自遠方来不亦楽乎。人不知而不憤、不亦君子乎。