2023-03-11 【詩】「梅」 詩 「梅」暮ると明くと目かれぬものを梅の花いつの人間(ま)にうつろひぬらむ (紀貫之)われらが「古今」から学ぶは郷愁、惜しむきもち。死ぬまで繰り返される一年の、その尊さの飽き。梅を女とみて。夜のなかに香しさを堪能する、ここはどこでもない、あなたのうでのなかという時間。去ってゆくものがいちばんうつくしいというそねっと。