現象の奥へ

【詩】「オイディプスあるいは無意識の物語」

オイディプスあるいは無意識の物語」

やさしいフランス語で、『アンチオイディプス』という本は何を言おうとしているのか?
「分析」という妄想を、りっぱな「理論」のために使った「物語」を証そうとしている。それは、嘘、
嘘の物語。しかし、
物語というものがすべて嘘だと、
ベンヤミンも言っているマドレーヌ寺院の前の道から続く、
アーケードを持った店。
その「物語」を作り上げ、ピレネー山中で、
服毒自殺した男。そう、
死は、もっとも公平で華麗な「物語」。
そこへたどり着くまでの嘘を、
フロイトというユダヤ人はでっちあげる、
それを信奉してパリに研究所を開いたのが、ラカンである。
そして、「お」フランスでは、まだその物語を信じたい人々が動員される。
ソシュールを読むべきであった。しかし、
ソシュールは本は出していない。
ガリマールも本は出していない。
それはある種の無意識からの逃走である。