現象の奥へ

【詩】「時計じかけのオレンジ」

時計じかけのオレンジ

 

KGB出身者は市民にもイメージが悪いが、

さいわいなことにトップまでは行かなかった。

代わりに、秘密警察のトップになった。

秘密警察は教会の裏に隠れている。

忠実であることはなによりで、市民の信頼も厚い。

市民とは中流以上の人々で、自由より、金を愛す。

そんな人々の支持を集め、国を堅固に、

ヨーロッパの多くを、ひとつの帝国に。

それが夢。

周囲の国々に惨劇を起こさせ、いつもその国の政府のトップを

この迷宮に引っ張り込んだ。さあ、

名前をあげてみろ、

ドストエフスキーよ。

きみの小説は、わたしの帝国より偉大かね?