「村上春樹のせかい?」
最近、アメリカのアカデミー賞で高評価の、村上春樹原作『ドライブ・マイ・カー』も、「村上わーるど」を忠実に再現している。ゆえに、セックスがかなりの重きを占めていて、フェラチオやタンポンなど、下ネタオンパレードである。これが、かつてのエロ映画でやるのではなく、一見青春、あるいは、青春への慕情みたいな「純文学的」「雰囲気」(だけ)のなかに、「あたりまえ」のように展開される。これを、「すてき!」と思えるのは、青春時代にそういうことに興味がありながら、心ゆくまでできなかったオバサン、あるいは、もともとスキモノのエロ男たちだろう。Yahoo!映画レビューも、おおむね高評価ながら、「キモい」「見ていられない」といった、生理的に受け付けない評価も少なからず混じっている。
それでも、自然な流れでそういう展開になっていくならいいが、自殺、突然死、犯罪、不幸なおいたち、などが、唐突でわざとらしく挿入されている。それを、ありもしなかった「青春」とか、ある物思いのように化粧されている。のである。こういったものが、アメリカ人を中心とした外国で受けている。