現象の奥へ

『ナポレオン』(リドリー・スコット監督)(★)

『ナポレオン』(リドリー・スコット監督)(★←星付けなど今更意味ないが、映画にはこの評価が似合う)

映画は役者できまる。私は役者に関心がある。ゆえに、いくらヒットしようと賞をとろうと、アニメには関心がない。ホアキン・フェニックスリドリー・スコットの組み合わせには関心があった。しかし、すでにこの両者は、「終わっていた」。フランスの忠臣蔵ともいえるナポレオンものが、前篇英語で演じられていても、役者がよければ、まー許せる。フランス革命というものがまったく理解されていなくても、役者がよければ、まー、許せる(笑)。全編、アメリカ人好みのセックスで彩られていても(笑)、役者がよければ、苦笑しながらも、金を返せとは言わない。しかーし、役者が、まったくダメなのである。腐った鯛ですらない。ホアキンって、それほど大物でした?(笑)。ナポレオンって、ブランデーじゃないんですよ(笑)。トランプゲームでもないんですよ(笑)。しかーし、ナポレオンと聞けば、このどちらかを思い出す(笑)。
ナポレオンが誰か知るために、フランス革命を理解していなければならない。この、すべての近代法の基礎となった人類唯一の革命を。しかし、ナポレオンの性生活をなんとしてでも描きたいリドリー・スコットは、それをマリー・アントワネットのギロチンだけですませている。ナポレオンの天才性も、軍事面の策略も、「よくわからない」のである。それは、監督が「よくわからない」からである(笑)。
観客は正直である。広い館内に、私を含めてたったの三人。
ホアキンのキャリアでいちばんよかったのは、子役時代の「まるでダメ男メガネ」をかけた、「エクスプローラー」みたいな題名の少年の冒険モノだった。はい、ご愁傷様。18しゃい未満の方はいくらヒマでも見ないでくださいネ。ものすごいポルノですから(爆)。