現象の奥へ

Entries from 2022-05-01 to 1 month

細田傳造の最新詩「森の方へ」「燃えるゴミの日のラファエル」@『Ultra BardS(ユルトラ・バルズ)』

細田傳造の最新詩「森の方へ」「燃えるゴミの日のラファエル」@『Ultra BardS(ユルトラ・バルズ)』Early Summer 2022 vol.37 印刷はきれいな、エリート臭漂う、しかし編集センスは決してよくない、そういう同人誌(にも)、細田傳造は加わっている。それ…

ミシェル・フーコー『臨床医学の誕生』

『臨床医学の誕生』(ミシェル・フーコー、神谷美恵子訳、みすず書房、原題『Naissance de la clinique』1963年刊) フーコーのレビュー作、ビンズワンガーの『夢と実存』の、本文より長い序文、と重なるところのある著作である。つまり、医学はどこから科学…

ベルナール=アンリ・レヴィ著『危険な純粋さ』

『危険な純粋さ』(ベルナール=アンリ・レヴィ著、立花英裕訳、1996年刊、紀伊國屋書店、原題『La pureté dangereuse』(1994))──結局、レヴィの予見の通りの世界になった? フランスの「現代思想」花盛りののち、やってきた「新哲学派」。とはいうものの、…

【詩】「ある詩を考えながら、ほかの詩を思い出すこと」

「ある詩を考えながら、ほかの詩を思い出すこと」 Où maintenant? Quand maintenant? Qui maintenant? Sans me le demander. Dire je. Sans le penser. Appeler ça des questions, des hypothèses. Aller de l'avant, appeler ça aller, appeler ça de l'ava…

【詩】「うつらうつらしながら」

「うつらうつらしながら」 La sottise, l'erreur, le péché, la lésine, Occupent nos esprist et travaillent nos corps, 馬鹿、間違い、罪、吝嗇が、 われらの頭を占め、体を動かす と、シャルル・ボードレールは書く。 ここには、なんら観念的な言葉はな…

『新潮2022年6月号』──『現代詩手帖』以下(★)

『新潮2022年6月号(新潮社、2022年5月7日刊) 売れない文芸誌の凋落は激しいが、なかでもこの『新潮』が随一である。書き手は、三十年前とそう変わらず、お家芸?(笑)の、学閥、コネを思わせるメンバー。お土産で言ったら、上げ底も激しい。 四方田犬彦氏…

突然の書道

石川九楊の『縦に書け』を読破して、道具と手本を揃え、ある年の書き初めとして書いたがな〜。手本は、紀貫之なり。なんでも、石川師によれば、日本語は縦に書くようにできているとか。

【詩】「ロシアより愛をこめて」

「ロシアより愛をこめて」 文学とは、まず第一に、自由の香りがしなくてはならない、けれど、 ナボコフは、軽蔑さえ宝物として記憶する、そう、 記憶だけが文学だ、彼にとって。 それから、ベンヤミン。 物語作者を探して、ロシアの地をゆく、そう、あれはロ…

『現代詩手帖2022年5月号』──ほかの詩誌ではできない内容となっている(★★★★)

『現代詩手帖2022年5月号』(思潮社、2022年4月28日刊) 四方田犬彦氏の小詩集に関心があり、購入した。そうそう世間の人は目がいかないが、私は、T.S.エリオット『荒地』のもとになっているテクスト、フレイザーの『金枝篇』と関係があるかな〜?と思った…