現象の奥へ

商業詩誌なう

もう長い間、同じパターンが続いている。12月号にアンケートと膨大な(笑)詩人の住所録、1月号は、このカイシャが代表的だと認める詩人の作品群で、ここに「入選」した人々が、あくまでこのカイシャの「一流」ということになる。メンバーのなかには、ブランド化したかに見える「大御所」と、今回は「入選」した詩人、今回は「落選」した詩人がいる。ブランド化した詩人たちには、谷川俊太郎松浦寿輝高橋睦郎などがいる。しかし、「大御所」でも、辞退する人も考えられ、また、作品がない(あるいは書けない)人も考えられる。
 ブランド化した詩人たちは、このザッシが、お金をとって本屋で売っている、さらにいえば「老舗」「権威」のために必要である。から、もしかしたら、「原稿料」なるものを払っているかもしれない。あと、世間で少しは話題になった詩人。しかし、作品が必ずしも他の詩人を抜きん出ているという保証はない。このカイシャから何百万もかけて詩集を出し、世間でも評価されて賞もいくつか取っても、ここに入っていない詩人は少なからずいる。それはなぜなのか? おそらく、なんらかの理由で、ブランド化しそこなった、うまい人脈と繋がらなかった人々ではないだろうか?
 少なくとも、伊藤浩子、時里次郎、細田傳造は、このカイシャも貢献し、世間でも評価されているが、なぜか「入選」しない。ここにあるメンバーは、なるほどなーと思わせる人ばかりである。まず、有名大学の教授か名誉教授、医者、などがここに入る。
 ……てな見方でもしたくなる。そして、詩にはなんの教養もない「おしゃべり」なだけの、人気書評家(なるほどツィッターのフォロワーは8万だ)豊崎由美を引っ張り出し、意味もないたわごとを語らせている。このレベルは、もう商業詩誌どころか、同人誌以下である。同人誌でさえ、このメンバーよりよい詩を書く人々はたくさんいる。こういう状況をなんと言うのだろう? 断末魔?

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以下2020年新年号と2021年新年号の「作品集メンバー」のリストである。まー、お暇な向きは比べてみてください。

 

特集)現代日本詩集2020 (新連載詩)吉増剛造 「voix/声」松浦寿輝「人外詩篇」 (作品)朝吹亮二天沢退二郎荒川洋治、池井昌樹、井坂洋子稲川方人、岩阪恵子、岡本啓、小笠原鳥類、粕谷栄市、川口晴美川田絢音城戸朱理小池昌代佐々木幹郎岸田将幸齋藤恵美子、杉本徹、杉本真維子、高橋睦郎谷川俊太郎、中村稔、中本道代、新倉俊一野村喜和夫、蜂飼耳、平田俊子日和聡子福間健二藤井貞和三角みづ紀、森本孝徳、吉田文憲、四元康祐和合亮一渡辺武信 (展望対談)瀬尾育生×中尾太一「抒情・フィジカル・非同調」 (詩書月評)福田拓也(詩誌月評)中島悦子

 

特集)現代日本詩集2021(作品)朝吹亮二荒川洋治、暁方ミセイ、池井昌樹、井坂洋子稲川方人、岩佐なを、江代充、小笠原鳥類、岡本啓、尾久守侑、粕谷栄市、川田絢音岸田将幸北川透城戸朱理小池昌代最果タヒ佐々木幹郎杉本真維子、瀬尾育生、高貝弘也高橋睦郎谷川俊太郎中尾太一、中村稔、野村喜和夫、蜂飼耳、平田俊子日和聡子福間健二藤井貞和藤原安紀子松浦寿輝三角みづ紀、水沢なお、森本孝徳、山﨑修平、吉田文憲、吉増剛造四元康祐和合亮一 (連続対談)豊﨑由美+広瀬大志「詩は世につれ、世は詩につれ」 (詩書月評)松尾真由美(詩誌月評)奥間埜乃(短歌月評)薮内亮輔(俳句月評)福田若之

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