現象の奥へ

『スイング・ステート』──このテの映画はもうオワコン(★)

スイング・ステート』(ジョン・スチュワート監督、2020年、原題『IRRESISTIBLE』)

 

まったくどこが「コメディ」なのか、アメリカの選挙の代理戦争のような、参謀しだいのような、日本ではあまりなじみがない……といいたいが、だんだん「それに追いついてくるような」日本の状況であるような気がするが、追いついたときには、すでにしてオワコン。

 とゆーか、NHKの新しく始まったドラマ『オリバーな犬、(Gosh!)バカヤロウ』の脚本監督のオダギリ・ジョーが、いみじくも言っていたように、「日常を拾い、それが面白いのはテレビだ。映画では、ズレてしまう」。そう、もうみんな映画館へはいかないし、おおぜいで「ドラマ」を共有できるのはテレビなのだ。それにしても、『オリバーな犬……』は、抱腹絶倒前衛ドラマである。これを見ずして、ドラマを語るなかれ!

 で、本作、アメリカの選挙の裏話なれど、どこが面白いか、まったくわからず。いや、わかってはいるが、クスリともできない。そんな時代になってしまったのである。ブラピが制作というが、まあ、ブラピが主演なら、それなりに見られたものになったかもそれない。しっかし、おバカになりきれない「カメレオン俳優」(死語(笑))のスティーブ・カレルじゃ、かえって、面白さをそぎ取っている。そーゆー映画。はい、ゴクローサン。