現象の奥へ

【詩】「きみの名前でぼくを呼んで」

「きみの名前でぼくを呼んで」

 

私は以前、この映画の題名で詩を書き、また同じ題名を使って詩を書こうとしている。

それほどこの言葉は、恋愛を表現して胸を打つ。

映画では、イタリア人の若者(男)とアメリカ人の留学生(男)が、

教授であった若者の父の家で一夏を過ごし恋に落ちる。

あるクリスマスに、イタリアの教授宅に、

女性と婚約した旨を知らせるアメリカ人からの電話がかかる。

そのとき、父から電話をかわった若者に、

アメリカ人の男は以前の約束事を繰り返す。

つまり、相手に対して自分の名前を呼ぶ。

Self so self-loving were iniquity :

'Tis thee, myself, that for myself I praise,*

自己愛は邪悪なものだ、

私はわが身のつもりできみをたたえる。

春立つけふの風やとくらむ。



(*SHAKESPEARE'S SONNETS :62)